# 介護職への転職で知っておきたい3つの現実
## ポイント1:給与と待遇の改善が進んでいる
介護職は「給与が低い」というイメージを持つ方も多いかもしれません。確かに過去はそうでしたが、現在は大きく変わってきています。
政府の施策により、介護職員の処遇改善加算※1が拡充され、多くの施設で給与が引き上げられました。経験や資格によっては、月給25万円以上を得ることも珍しくなくなっています。特に、介護福祉士などの資格を取得すると、給与アップにつながりやすくなります。
ただし、施設によって待遇格差があることは事実です。転職を検討する際は、基本給だけでなく、賞与や各種手当、昇給制度をしっかり確認することが重要です。また、有給休暇の取得状況やキャリアアップ支援の充実度も、長く働き続けるために大切な判断材料になります。
給与面以外にも、介護職員宿舎借上げ支援事業※2など、生活を支援する制度も増えています。転職前に、これらの制度が利用できるかどうかを確認しておくと、実際の生活設計がより現実的になります。
## ポイント2:身体的負担の軽減が進んでいる
「介護職は腰が痛くなる」という話をよく聞きます。これは本当の課題ですが、対策も進んでいます。
最新の介護施設では、介護ロボットやリフト機器※3の導入が進み、職員の身体的負担が大きく軽減されています。例えば、ベッドから車いすへの移動をサポートする機械や、入浴をサポートする機器など、技術の活用により、職員と利用者双方の安全が守られています。
ただし、すべての施設が最新設備を備えているわけではありません。転職を検討する際は、実際に施設を見学し、どのような設備が整っているかを確認することをお勧めします。また、職員の教育体制も重要です。正しい介護技術を学べる環境があれば、無理な力を使わず、安全に業務を遂行できます。
さらに、適切な人員配置※4も身体的負担に大きく影響します。職員が少なすぎる施設では、個人の負担が増加します。採用面接の際に、「職員数と利用者数の比率」や「シフト体制」について質問することで、現場の実情がある程度見えてきます。
## ポイント3:やりがいと成長の実感が大きい
介護職は、単なる労働ではなく、人間関係の深さが特徴です。利用者との信頼関係が構築されると、仕事の満足度は大きく高まります。
実際、多くの介護職員は「利用者から感謝される喜びが大きい」と答えています。毎日同じ方と関わることで、細かな変化に気づき、その方の生活の質を向上させるために工夫することができます。このプロセス自体が、大きなやりがいになります。
また、介護業界は資格取得によるキャリアアップが明確です。未経験から始めても、実務経験を積みながら資格を取得することで、管理職や専門職へのステップアップが可能です。介護職員初任者研修※5から始まり、介護福祉士、さらにはケアマネジャー※6など、複数のキャリアパスが存在します。
企業によっては、資格取得にかかる費用を負担してくれたり、休暇を提供してくれたりする制度もあります。自分の成長を実感しながら、社会貢献できる仕事は、決して珍しくありません。転職を機に、新しいキャリアの扉を開くことも十分可能なのです。
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※1 処遇改善加算:介護職員の給与を改善するため、介護施設に支給される国からの補助金
※2 介護職員宿舎借上げ支援事業:転職者の住宅費をサポートする制度
※3 リフト機器:腰への負担を減らすため、利用者の移動を補助する機械
※4 人員配置:施設に配置される職員の数
※5 介護職員初任者研修:介護の基礎知識を学ぶ研修資格
※6 ケアマネジャー:介護サービスの計画を立てる専門職